Shionのコンセプト

手にした時に感じていただきたい安心感と温もり。
一人でも多くの方に、上質な革だからこそ生まれる豊かな表情が伝えられるように。
ずっとずっと、いつまでも愛着を持って使ってもらえるようなものを届けてゆけるように。
そんな願いから、レザーブランド「Shion」は生まれました。

すべての人に本物を届けるために、
私たちはひとつずつ心を込めて製品を作っています。

Shionのお知らせ

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ブライドルシリーズが「モノづくりブランド」に認定されました!

アジア最大の皮革製品展示会 APLF(Asia Pacific Leathre Fair)でエクセレント・デザイン賞を受賞したブライドルシリーズが、令和元年度「草加モノづくりブランド」認定されました。 その独自性、先進性 …

Shionの革

革はよくイキモノに例えられます。使っているカドがとれて柔らかな風合いとなり、濃淡が表情として現れ、マットな部分と滑らかに光沢を放つ部分のコントラストができてきます。持つ人の時の流れと共に変わり、熟成してゆく。Shionの製品には、長年革製品の製造に携わってきた経験から、厳選した革素材を使用しています。ここではShionの革について紹介いたします。

ブライドルレザー:英国が生んだ馬具用堅牢レザー

ブライドル(Bridle)とは、馬具の頭絡から手綱にハミを含む総称である馬勒のことで、騎手が馬を操り、バランスを取るための重要なものです。したがってこれが切れたりすると落馬の危険があることから、他の革以上に堅牢な革として開発・使用されたものがブライドルレザーと言われています。ブライドルレザーは植物のタンニン(渋)によって鞣され上がるタンニンレザーの一種ですが、その後手仕事により牛脂や蜜蝋(ワックス)を革の繊維まで丹念に擦り込むことによって完成します。

牛脂や蜜蝋(ワックス)が表面だけでなく、革の内部にもしっかり擦り込まれているブライドルレザーは、繊維組織の強度を高めるため、引っ張り強度や耐摩耗性などに優れており、普通の引っ掻き傷なら指先で擦るだけで、そのほとんどを目立たなくできます。また撥水効果も併せ持っているのでブライドルレザーは一般的な革に比べて雨にも強くなっています。ただし完全防水ではないので、濡れたまま放置するとシミが出ることもあるので、濡れてしまったら、すみやかに乾いた布で水気を取ってください。Shionで使用しているブライドルレザーは、この擦り込み時にできる刷毛目を敢えて残し、独特なデザインの要素として活かしています。

ブライドルレザーは使うほどにしなやかになり、色も深まり美しい光沢が現われて、未使用時とはまるで異なる表情に変化します。このエイジング効果もタンニン鞣しとオイル&ワックスの効果によるものです。Shionのブライドルシリーズをより楽しんでいただくには、あえて表面のブルームを拭き取らず、自然に消えていく過程を楽しみ、一ヶ月に一度程、折り部分やコーナーなどお手入れをしていただくことでより美しい表情に育てることができます。表面部分が乾いてきたら、専用ワックスやクリームでオイル成分を補ってください。

「上質」を作る手仕事

Shionでは、あらゆる革の特性を見極め、時代性や機能性、素材感を最大限に引き出す努力を惜しみません。唯一無二のデザインを普遍的で末永く愛用していただけるよう、心を込めて作っています。
ひとつひとつ丁寧に作られた革製品は厳しい検品のもと、お客様へとお届けしています。ここでは製品がお客様にお届けされるまでを、いくつかの工程にわけて紹介いたします。

Shionの商品ができるまで

商品企画:お客様にご提供すべき新商品の検討をします。Shionを持っていただきたい方々のイメージを念頭に、現在から近い将来の時代背景を考えながら、素材、カラー、フォルム、機能を煮詰め、デザインの方向性決め、送り出すラインアップを決定します。

デザイン:企画されたラインアップのそれぞれについて、専門のデザイナーや外部デザイナーが創意に富んだデザイン画を作成し、よりShionに相応しいデザインを決定します。

モック作成:デザイン画に基づき作成された制作図面に基づき、ポリエステルと合成ゴムでできたフェルト状の素材「コラビアン」を使用してモックアップ(実物大模型)を作成します。革素材は高価なので、比較的安価なコラビアンを使用したモックアップを何度か試作することで全体的な雰囲気や縫製の仕方、修正を要する部分の検討をします。

革試作品作成:決定したモックアップを分解して部品に分け、製品に使用する革に似た比較的安価なダミー革、金具類を使用して、試作品を作成します。この時点で、革の厚さ、縫製部分の厚さ、適切な柔らかさとコシを表現できる芯材や接着剤等を試して適切な素材と厚さを決定します。また、商品のアクセントにもなる縫い目のイメージを左右する縫製糸の色・太さ・縫い巾も決めていきます。充分な検討により決定したダミー革試作品を分解してそれぞれのパーツに分け、型紙を作成します。

サンプル作成:本番用の革、芯材、金具、糸を使用して量産用のサンプルを制作します。上記型紙を使用して革包丁でパーツを切り出し、パーツ全体の厚さを調整(漉き)、縫い合わせ部分の厚さを調整(コバ漉き)、芯材の貼付、ファスナー等の縫製、裏地の断裁・縫製、持ち手金具や開閉金具、飾り金具等の取付、全体縫製、ショルダーベルトやファスナーの引手パーツの制作と取付等、数十工程を経てサンプルを作成します。この時点でブランドのロゴマーク等版押しの型等も製作します。出来上がったサンプルを検討し、修正箇所があれば再度作り直して、完成度を高めてブランドに見合う商品にまでブラッシュアップします。

量産:販売計画に基づき、それぞれのラインアップでカラーバリエーション毎に生産数量を決定。決定した型紙から裁断用の刃型を作成して、革包丁による手裁ちからプレス裁断機による裁断に切り替えます。サンプル制作までは一人の職人が全工程を受け持ちましたが、量産時には、各工程の専門職人が担当してムラの無い高品質な商品にまとめ上げます。

革のお手入れ方法

革製品は基本的に使うこと自体が、お手入れにもなるということをご存知ですか。日々人が使うことで革の表面に手の油などがつき、革に潤いを与えると同時に保護をしてくれます。そのため、毎日大切に使うこと(触れること)自体が日々の革製品の一番のケアとなるわけです。ここではより表情豊かに革を育ててゆけるよう、革のお手入れの方法について紹介いたします。

お手入方法

用具類:馬毛ブラシ、ブライドルレザー用ワックスやクリーム、水拭き用タオル、乾拭き用クロス*
(*・・・ワックス、クリーム類:エム・モゥブレィ「クリーム・エッセンシャル」、コロンブス「ブライドルレザークリーム」、ブライドルレザー用ワックス「DUBBIN」など)

  1. タオルを湯で湿らせ、固く絞って汚れを拭き取ります。洗浄液などは使用しないこと。
  2. 暖かい室内に置き、ゆっくりに乾燥させますが、日の当たる場所、風通しの悪い場所、湿度の高い場所などは避けてください。
  3. 乾いたら「ダビン」を少量取り、塗り広げます。指に直接付けて使えば指先の温度で伸びが良くなります。折り目やステッチ沿いなどもに塗り込んでください。
  4. ブラシを使い、やや強めにブラッシングして、ワックスをより均等に広げていくうちに、オイル分が馴染んでいきます。
  5. 仕上げとして、柔らかい布で乾拭きをします。ただし、むやみに強く擦る必要はなく、表面に油分の層を残すイメージで拭いていきます。
  6. ワックスできたムラは消えて、革の表面にワックスの被膜ができて艶が増し、しなやかになり、雨や汚れ・傷などにも強くなります。